例年より早く梅雨が明け、暑い夏が長く続きそうです。西日本では、長時間の大雨
により甚大な被害が出ております。一日も早い復興を願っております。

 今回は、民法の相続分野の改正についてご紹介したいと思います。7月6日に民法
の相続分野を見直す改正法案が、国会で可決、成立しました。施行日(改正民法が実
際に適用される年月日)は未定です。相続分野の見直しは約40年ぶりで、高齢化社
会の中、配偶者を亡くされた方の生活安定を重視したものとなっております。

 今回の改正では、配偶者居住権の新設がされました。配偶者居住権とは、配偶者が
一定期間または終身、自宅に住むことができる権利で、所有権とは別に居住権として
登記できるようになります。また、所有権を相続した子どもが自宅を売却しても、配
偶者はそのまま住み続けられます。ただし、この対象となる配偶者は、法律婚の夫婦
に限られています。今後は、事実婚や同姓カップルへの対応も検討していく方向のよ
うです。

 また、自筆証書遺言書について一部改正があり、現在は全文、日付、氏名を本人が
自筆で書く必要がありますが、財産目録に限り、パソコンなどで作成したものを添付
できるようになります。自筆でなくてもよいのは、財産目録のみですので、それ以外
は今までどおりとなります。

 配偶者居住権の新設が今回の大きな改正点になります。施行日が決まっておりませ
んが、数年の内に施行されます。今までにない制度ですので、詳細がわかりましたら、
お知らせしたいと思います。

 いばら司法書士・行政書士事務所 小山